Apple Watchを購入しようと考えたとき、気になるのが「バッテリーは1日しか持たない」という点です。稼働時間が短いと聞くと、「本当に使い続けられるのかな」と不安になる方も少なくありません。
実際のところ、Apple Watchは時間を確認するだけでも毎日の充電が必要になります。他のスマートウォッチと比べても特別に長持ちするわけではないため、この点は購入をためらう理由のひとつになっています。
この記事を読めばわかること
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Apple Watchは本当に1日しか持たないのかがわかる!
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使い方によって電池がどう減るのかがわかる!
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「電池が早く減る」と言われる理由がわかる!
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毎日充電でも困らない工夫がわかる!
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それでも多くの人が選び続ける理由がわかる!
それでも多くの人がApple Watchを選び、愛用しています。毎日充電する前提でも十分に価値があり、生活の中で役立つ場面がたくさんあるからです。本記事では「なぜ充電頻度が高いのか」と「それでも選ばれる理由」を整理し、購入前に後悔しないための参考にしていただけます。
Apple Watchのバッテリーはどのくらい持つ?
Apple Watchを検討するときに多くの人が気にするのが、1回の充電でどのくらい使えるのかという点です。カタログに書かれた数値と、実際に生活の中で使ったときの感覚には違いがあるため、両方を知っておくことが大切です。
Appleが公表しているモデル別のバッテリー時間
Appleが公式に示している稼働時間はモデルによって異なります。Series 9・10やSEは最大18時間、Ultra 2は最大36時間が基準となっています。これは、時刻の確認や通知の受信、短時間のアプリ操作、1時間程度のワークアウトを含んだ「ふだんの1日」を想定した数値です。
モデル | 通常使用 | 低電力モード | GPS使用時 | 充電時間(80%) |
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Series 10 |
最大18時間 |
最大36時間 |
最大7時間 |
約30分 |
Ultra 2 |
最大36時間 |
最大72時間 |
最大12時間 |
約1時間 |
Apple Watch SE2 |
最大18時間 |
― |
最大6時間 |
約1.5時間 |
数値だけを見ると短く感じるかもしれませんが、朝に満充電をして出かければ夜までは問題なく使えるよう設計されています。Ultra 2のように容量が大きいモデルでは、状況によっては2日にわたって持つことも可能です。ただし、どのモデルであっても
数値だけを見ると短く感じるかもしれませんが、朝に満充電をして出かければ夜までは問題なく使えるよう設計されています。Ultra 2のように容量が大きいモデルでは、状況によっては2日にわたって持つことも可能です。ただし、どのモデルであっても毎日充電することを前提に考えるのが安心です。
実際の使用で見えるバッテリーの減り方
カタログの数字だけでは、実際の使い心地がイメージしにくいかもしれません。ふだんの生活と運動時とで、バッテリーの減り方がどう違うのかが見えてきます。
ふつうの1日を過ごした場合
夜に充電を終えて、そのまま Apple Watch を腕に着けて眠りました。睡眠モードにしておくと、夜間は画面が暗くなり通知も制限されます。そのため、朝起きたときには意外と電池が残っていました。
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22:30 充電完了(100%)
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翌7:30 睡眠モードで就寝 → 起床時は90%
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13:00 日中の利用で70%
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22:00 夜の時点で39%
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23:00ごろ 充電再開、約1時間で100%に回復
このケースでは、24時間のあいだで約60%を消費しました。通知や時刻の確認、ちょっとしたアプリの利用程度なら、1日しっかり持つことが分かります。夜の時点で残量が40%近く残っていたので、「電池切れを心配せずに過ごせる」という安心感がありました。
運動や音楽再生を組み合わせた場合
次は、よりハードな使い方をした日の記録です。通常の生活のあと、Apple Watch 単体で音楽を聴きながら運動をしてみました。イヤホンと接続し、ランニング中も心拍や運動量を計測し続けたので、電池の減りが早くなりました。
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23:00 使用開始(前日夜)
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翌20:30 通常の利用でまだ余裕あり
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20:30〜21:30 音楽再生+運動(Apple Watch単体)
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21:30 残量26%まで低下
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その後1時間強の充電で100%に回復
このケースでは、運動や音楽再生といった負荷のかかる機能を組み合わせると短時間で一気に電池が減ることが分かります。普通の1日と比べると、残量の減り方がかなり急でした。
「電池減りが早い」と感じる理由
ディスプレイと常時表示の影響
Apple Watchのバッテリー消費で大きな役割を持つのがディスプレイです。画面は一番目にする部分であり、電力を多く使うパーツでもあります。特に「常時表示ディスプレイ(Always-On Display)」は、操作していなくても時刻や情報を表示し続ける仕組みで、とても便利ですが電池の減りを早めます。
実際に Series 10 を使って比べてみると、その違いが数字ではっきり表れました。
常時表示オフ(腕を上げたときだけ点灯)
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夜23:30に充電を終えて装着 → 翌朝7:00で92%(睡眠モードで約8%消費)
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昼13:00で78%、夜22:30には50%に。
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ここで充電を開始し、約1時間で満充電に回復
常時表示オン(画面が常に点灯)
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朝8:00に88%からスタート
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昼13:30で67%、夜22:30には38%まで低下
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その後充電を開始し、1時間強で再び100%に回復
この2つを比べると、同じような使い方でも常時表示をオンにすると1日で10%以上多く電池を消費していることが分かります。オフの場合は夜に50%残っていたのに対し、オンでは40%を切っていました。
つまり、Apple Watchの電池が「思ったより早く減る」と感じる大きな理由のひとつは、高精細な画面を常に点灯させる仕組みにあります。見やすさと便利さを手に入れる代わりに、電池の消耗が増える設計なのです。
通知やアプリの動きで変わる消費
Apple Watchは、通知やアプリの動きによっても電池の減り方が変わります。普段は意識していなくても、次のような場面で少しずつ消費が積み重なっています。
通知の受信
メールやメッセージ、SNSの通知が届くたびに画面が点灯し、振動や音で知らせてくれます。1回あたりの消費は小さくても、1日に何十回も繰り返されると残量に影響します。
バックグラウンド更新
音楽を再生したまま心拍を測定したり、天気アプリが自動で情報を更新したりと、画面を見ていないときでもアプリは働き続けています。これも少しずつ電力を使います。
センサーとの連動
心拍や歩数の計測は常に行われています。とくにワークアウトを行うと測定が細かくなり、バッテリーの消費も増えます。
こうした動きはひとつひとつは小さくても、一日を通して積み重なることで「電池が早く減る」と感じる理由になります。Apple Watchのバッテリーが短いといわれるのは、容量の小ささではなく、多くの機能を裏で動かし続けているためと考えられます。
ワークアウトやGPS利用の負担
Apple Watchのバッテリー消費で大きな比重を占めるのが、ワークアウトやGPSを使うときです。運動中は心拍や消費カロリーを細かく計測し、屋外では位置情報も同時に記録します。そのため、通常の使い方よりも電力を多く必要とします。
心拍計測が頻繁に行われる
ワークアウトを起動すると、数秒ごとに心拍が測定されます。通常より測定回数が増えるため、センサーによる消費が大きくなります。
GPSが常にオンになる
屋外でルートを追跡するときはGPSがフル稼働し、移動距離やペースを記録します。これも電池を減らす大きな要因です。
音楽再生との組み合わせ
Apple Watch単体で音楽を聴きながら走ると、Bluetooth・GPS・センサーが同時に働き、消費がさらに加速します。
実測データでもこの傾向が表れました。通常利用では1日の終わりに40%前後残っていたバッテリーが、運動と音楽を組み合わせたケースでは約1時間で一気に20%以上減少し、終了時には26%まで低下しました。
このように、Apple Watchの電池が「早く減る」と感じられる大きな理由のひとつは、ワークアウトやGPS利用による負荷です。便利に活用できる一方で、運動する日には充電のタイミングを意識する必要があります。
どう充電を生活に取り入れる?
Apple Watchは基本的に毎日充電が必要ですが、それを生活の中にどう組み込むかで快適さは変わります。ここでは実際の使い方に合わせた充電の工夫を見ていきましょう。
夜に充電する派と朝に充電する派
Apple Watchユーザーの多くは「夜に充電する派」と「朝に充電する派」に分かれます。
夜に充電する派
寝る前に充電スタンドに置けば、翌朝には100%になっています。睡眠トラッキングを使わない人には最もシンプルで安心な方法です。日中はバッテリー切れを心配せずに過ごせます。
朝に充電する派
睡眠トラッキングを使いたい人に多いのがこの方法です。朝起きてから出かけるまでの1時間前後を充電に充てれば、その日1日は問題なく使えます。
どちらを選んでも、毎日の生活に決まった充電リズムを作ることが安心につながると言えます。
睡眠トラッキングと充電の両立
睡眠の記録を残したい場合、充電のタイミングが悩みどころです。夜に外してしまうとデータが取れませんし、朝だけでは十分に充電できるか不安になることもあります。
その場合は、夜と朝の2回に分けて短時間ずつ充電する方法が有効です。
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夜の就寝前に30分充電
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朝の準備中にさらに30分充電
このように分割すれば、睡眠トラッキングもしつつ日中も安心して使えます。Apple Watchは急速充電に対応しているため、短時間でも残量を大きく回復できるのがポイントです。
急速充電や外出時の工夫
Series 7以降のモデルでは急速充電に対応しており、約45分で80%まで回復できます。外出前の短い準備時間でも十分に充電できるので、忙しい朝でも安心です。
長時間の外出や旅行では、モバイルバッテリーやApple Watch専用の小型充電器を携帯しておくと便利です。コンパクトなサイズの製品が多く、カバンやポーチに入れても邪魔になりません。
このように急速充電や携帯充電器をうまく取り入れれば、「毎日充電が必要」という弱点は実際には大きな不便にはなりません。むしろ日常の習慣に組み込みやすい設計と言えるでしょう。
それでもApple Watchを選びたい理由
「毎日充電しないといけない」と聞くと、それだけで買うのをためらってしまう人も多いはずです。けれども実際には、それを上回るメリットがあるからこそ、多くの人が手に取り、長く使い続けています。
健康管理や運動に強いサポート
Apple Watchを選ぶ理由のひとつは、健康をそっと支えてくれる存在であることです。心拍数を記録し、リズムの乱れを知らせてくれる仕組みは、体調の小さな変化に気づくきっかけになります。血中酸素や睡眠の状態も把握できるので、なんとなくの体調管理から一歩踏み込めるのも魅力です。
運動では、ランニングやウォーキング、ヨガまで幅広く対応しており、消費カロリーや時間を自動で残してくれます。GPSを使えば走ったルートやペースがわかり、運動を続けるモチベーションにもつながります。
「充電が毎日必要」という弱点があっても、健康や運動を見守ってくれる安心感はそれ以上の価値を感じさせてくれるのです。
iPhoneとのスムーズな連携
もう一つの大きな理由は、iPhoneと一緒に使ったときの快適さです。Apple Watchは単体でも便利ですが、iPhoneと組み合わせることで日常の動作がぐっとスムーズになります。
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メッセージやメールが届いたら、手首を見るだけで確認できる
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ポケットやカバンから取り出さずにそのまま通話や返信ができる
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改札やレジでApple PayやSuicaを使えば、かざすだけで支払いが完了する
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iPhoneのヘルスケアアプリと自動で連動し、体調データをまとめて管理できる
どれも小さな便利さですが、毎日の生活の中で何度も助けてくれる場面があります。だからこそ「1日1回の充電」という手間よりも、生活全体の快適さを優先する人が多いのです。
毎日使いたくなる便利さ
Apple Watchには「これがあると助かる」と思える瞬間がたくさんあります。料理中に声でタイマーをセットしたり、移動中にマップで道を確認したり、腕から音楽を操作したり。どれも小さなことですが、積み重なると大きな違いになります。
文字盤を自由にカスタマイズできるのも特徴です。天気や予定、バッテリー残量など、自分に必要な情報を一 glance で確認できるように設定すれば、まるで手元に小さな情報パネルを持っているような感覚になります。
毎日の充電は確かに必要です。けれども、その手間を忘れるくらい「自然に身につけたくなる便利さ」があるからこそ、多くの人が選び続けています。
まとめ
Apple Watchのバッテリーは決して長くはなく、毎日の充電が前提になります。「1日しか持たない」と聞くと迷ってしまうかもしれませんが、夜に充電しておけば翌日は安心して使えますし、急速充電や外出時の工夫を組み合わせれば大きな不便はありません。
その一方で、Apple Watchには健康を記録し運動を支える力、iPhoneとのなめらかな連携、そして日常を快適にする小さな便利さがあります。これらはバッテリーの短さを補って余りある価値であり、「充電の手間」と引き換えに得られる大きなメリットです。
購入を迷っている場合は、「充電を毎日の習慣にできるか」と「そこから得られる快適さや安心感」を比べて考えるとよいでしょう。電池が短いという事実を理解したうえで選べば、Apple Watchは生活をより豊かにしてくれる心強いパートナーになります。